イワベンケイ(岩弁慶)はベンケイソウ科の多年生草本。岩場などの厳しい環境で生育する。高さは30cm程度となる。
多様な形の多肉質の葉を持ち、6月~8月の花季に黄緑色の花をつける。雌雄異株であり、雄株の花は黄色みが強く、雌株の花はやや赤みを帯び、秋に鮮やかな紅色の果実を作る。 ベンケイソウの一種でありCAM型光合成を行うため乾燥に強く、栄養に乏しく風当たりの強い、岩礫・砂礫地に生育することができる。 根茎は太くて長く、ハーブとして用いられることがある。乾燥するとバラのような芳香があるため「ローズルート」の名がある。
北海道を含む亜寒帯地方のほか、北半球の高山に散らばって分布する。ヨーロッパのアルプス山脈、北アメリカ東部、日本では本州中部地方の山々である。ただし、富士山と立山にはない。高山のイワベンケイソウは、最終氷期に南下したものが遺存したと考えられている[1]。日本では、非火山性の山に生え、火山に生える近縁のホソバイワベンケイと混生することは稀である[2]
イワベンケイ(ロディオラ・ロゼア)は気分を向上させたり、鬱を軽減したりする効果があるといわれている。ロシアの調査によると、それは肉体的、精神的パフォーマンスを向上させ、疲労を減らし、高山病を改善することが示されている。 イワベンケイの効果は、セロトニンやドーパミンレベルを最適化し、また、β-エンドルフィンのようなオピオイドペプチドに影響を与えるためであると考えられている。[要出典]この効果は、ニコチンのような中枢神経刺激薬と比べて、健康に深刻なダメージを与えることは少ない。このような効果を示す物質は、アダプトゲンと呼ばれる。スマートドラッグとして取り扱われることもあり学習効果を増大させるとされている。