P. coronarius var. satsumi
P. coronarius
バイカウツギ (Philadelphus satsumi) とはアジサイ科の植物の一種(シノニムP. coronarius、P. coronarius var. satsumi)。別名サツマウツギ。
落葉低木の一種で、現在では南東ヨーロッパや小アジアが原産とされる。名前の由来はウメに似た花を咲かせることから。ライラックと混同されていた時期があり、共に牧神パンの笛という意味の言葉Syrinxに由来するシリンガという名前で呼ばれ、一つの属にくくられていた。
6-7月頃に白い花を咲かせる。
16世紀、神聖ローマ帝国の使者オジェール・ギスラン・ド・フズベックによってヨーロッパに紹介された。1597年にはジョン・ジェラードの庭で大量に栽培されていたことが確認されている。ヨーロッパには早くから帰化したようで、日本では本州、四国、九州に分布する。
鑑賞用に植栽され花は香水の材料として採用される。園芸植物としては匂いが特色とされ、品種の改良はあまり進展しなかった[1]。葉をもむとキュウリの匂いがする。匂いをかぐことによって酩酊したような気分になる人もいる。ジェラードはバイカウツギの匂いの為に眠れなかったことがあると述懐している。またE・A・ボウルズによって花粉症の原因となることが指摘されている。