ウンピョウ(雲豹、Neofelis nebulosa)は、ネコ科ウンピョウ属に分類される食肉類。本種のみでウンピョウ属を構成する。別名タカサゴヒョウ(高砂豹)[1]、タイワントラ(台湾虎)[2]。
インド北東部、インドネシア(スマトラ島、ボルネオ島)、タイ、中華人民共和国南部、ネパール東部、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオス[3][4][5][6]
体長62-107cm[5]。尾長55-90cm[4][5]。体重16-23kg[3][4][5]。頭部は大型で細長い[4][5]。毛衣は暗灰色や黄褐色で、体側面に黒い縁取りのある不定形な(雲型)濃色の斑紋と黒い斑点や縞が入る[4][5]。和名は雲状の斑紋に由来する。耳介の後方は黒い体毛で被われ、白い斑点が入る(虎耳状斑)[4][5]。
耳介は丸みを帯びる[4][5]。虹彩は黄褐色[4]。鼻面は頑丈で幅広く[3]、顎が発達する[5]。犬歯は非常に大型[3][4][5]。第1小臼歯は小型で、第1小臼歯がない個体もいる[4]。四肢は短く、足の裏は幅広い[3][5]。
標高2,000-3,000mにある森林に生息する[5]。樹上棲[3][4][5]。夜行性[4]。群れは形成せず単独で生活する[5]。
食性は動物食で、小型哺乳類、鳥類、ヘビなどを食べるが、イノシシやシカを食べることもある[3][4][5][6]。樹上で獲物を襲ったり、樹上から地表を通りかかった獲物を襲う[4][5]こともある[3][6]。
繁殖形態は胎生。妊娠期間は86-95日[4][5]。樹洞に幼獣を産み[3]、飼育下では1回に1-5頭(主に2-3頭)の幼獣を産んだ例がある[5]。授乳期間は5か月[5]。生後26か月で性成熟する[5]。
開発による生息地の破壊、毛皮や牙目的、漢方薬用、ペット用、動物園での飼育用などの乱獲などにより生息数は減少している[5]。台湾や海南島の個体群は絶滅したと考えられている[5]。
日本国内では1983年に野毛山動物園が初めて飼育下繁殖に成功した[4]。
カリフォルニア州のネコ科動物の保護施設にて